北米におけるトマティス・スクール・プログラム トマティス学術論文
ホームようこそトマティスへ > 学術論文  

北米におけるトマティス・スクール・プログラム
付録書 A


 ティモシー博士
 トマティス・センタートロント、カナダ

生徒たちは学校で言葉を聞き、習い、使用します。
トマティス・メソッドが実施されるべき場所はまさ に学校なのです。  
トマティス・メソッドは急速に社会に受け入れられつつあります。

北米で最初にスクール・システムに 導入されたのはオンタリオ州のサドベリーで、すぐに他の三州に広がり(アルパーク、サスカチュワン、 ケベック州)、さらに英国の私立学校でも採用されました。 1500人を越える生徒たちがこの方法の恩恵に略しています。  

最初に学校に紹介されたプログラムはトロント・センターの中に設置されているクリニックで実施して いる個人プログラムと殆ど同一のものでした。
そして1982年以降になると、学校ではグループプログラム が利用できるようになりました。即ち、トマティス・スクール・プログラムです。

この報告書は最初に1983年に公表されたものですが、トマティス・スクール・プログラムによるメソッ ドの適用によってコミュニケーションと学習の面で高い能力を身につけた生徒の様子を詳細に説明しています。

この報告書はこれらの生徒たちの両親、教師たちに、聞く能力について、認定する方法、評価方法 について、またプログラムの詳細およびトマティス・メソッドの研究について情報を提供するものです。

リスニング

両親はしばしば次のように嘆きます:
生徒はある状況の中では私の云うことを大変よく聞きますがが、他のことになると完全にそっぽを向きます。

ある父親はこう言います:
ホッケーについて話すときは息子は私のことを非常によく聞いてくれるが、私が彼の宿題を助けるとき、ちっとも私の云うことを聞かない。

教師たちは生徒は"最も集中すべき時"に"集中しない"のが一番問題だと嘆きます。即ち、教室で授業を受けるときにです。 誰もが持つ聞くという活動にダイアルを合わせる能力を"リスニング''と呼びます。聞くという能力を身につけた生徒は必要性が生じたときにそのことに集中することができます。リスニングの問題が生じるのは人の云うことを良く聞くために集中する能力が生徒によってまだ十分に開発されていないことによります。

このチューニング・イン/チューニング・アウトの技術に欠陥があるといくつかの面で影響が現れます。 ある段階で、このことは授業を受ける際の注意力を払う生徒の能力に関係してきます。 生徒は出席するという努力をし、異なった様々な方法で繰り返され、または説明されない限り、伝達されるメッセージの理解に餉難を示します。

リスニングが聞いたことを記憶する生徒の能力に関係してきますし、または云われたことを誤解するという事態に到ることもあります。 リスニングのプロセスでもう一つ大切なことは自分自身を聞き、言葉によって自分の考えを表現する「セルフリスニング」という生徒の能力です。

生徒の口頭によるコミュニケーションや生徒が苦労なく話ができる力は彼のリスニング能力によって影響を受けます。言葉のもつ音を処理し、分析する生徒の能力は言葉の音を翻訳する生徒の能力に関係してきます。例えば、読むことは単に視覚上のプロセスではありません。読むということは音を表現するグラフィック・イメージ(文字)の急速な分析を行うことを意味します。文字またはグラフィック・イメージに意味を与えるのは音なのです。グラフィック・イメージまたは文字を音に転換するプロセス、また、これらの意味を認識することは聞くことのプロセス能力がよく発達すればするほどより効果的になります。

書くことも同じように考えられます。これは音がグラフィック・フォームに翻訳されるプロセスであるからです。言語のもつ音が十分に消化されていない場合、これらの音をそのグラフィック形態に再現するには障書が生じるように思われます。綴を書く能力は多分このような潜在的障害によって妨げられます。

受動的能力(読むこと)と表現能力(書くこと)の土台となる基礎は話す言葉です。言葉の基礎をなす 音が明白に認識されず、また十分に分析されなければ書く言語の能力の発達に障書をもたらします。さらに一般的に説明すれば、リスニングはコミュニケーションに影響し、生徒の社会性の発達、セルフ・イメ ージ、自信にも同様に関係するものです。

トマティス・スクール・プログラムから恩恵を受ける生徒たちの認定 リスニングに問題のある生徒は、中または中以上の能力を持っているにも拘らず両親や教師の期待に反 する成績しか上げることができません。教師や両親の見解に見られる大多数の結論は生徒がその潜在能力 に見合った成績を上げていないと報告しています。

トマティス・スクール・プログラムの最終日的はコミ ュニケーション能力の正しい発達と学校での成績の向上に支障をきたしているリスニングに問題を持つ生徒を介助することにあります。これらの生徒は以下の領域の何れかで改善が必要と思われます。 一学級でより注意力を発揮し、集中力を高め、気の散りを防ぐ 一言われたことを誤解したり、要求、または期待されたことに混乱をもたらす傾向を少なくする。一口頑で伝えるコミュニケーションの展開技術、特に言葉で自らを楽に表現する技術 一大声で読み上げることの熟達 一他人とコミュニケーションを行う方法としての口頭コミュニケーションの活用とモチベーション 若干の生徒に関しては、リスニングは困難なプロセスです。 リスニングにおける彼らの困難性を克服す る努力はまた違ったストレスを惹き起こし、不幸を招来することがあります。トマティス・スクールに参加することにより、リスニングの過程を容易にし、これによってリスニングとこれに関連するコミュニケ ーション技術から生じる努力と緊張を和らげ、さらに学校における学業成績を向上させます。

評価方法

特別な生徒に対するトマティス・スクール・プログラムの適応性を決定するために若干のステップが採用されています。教師たちがトマティス・スクール・プログラムの参加によって良い効果が期待されると 判断された生徒をプログラム担当教師、学校経営者、または校長に推薦します。そこでプログラムの責任者が両親から生徒の成長記録に関する情報を収集し、生徒の聴力、それに関連する能力などいくつかの面で簡単な評価を行います(30分から40分)。
これらの各種情報源から集めた情報の評価に基づいて生徒に 対するメソッドの適応性について決定が下されます。  
メソッドが良い効果を与えると予想される生徒の両親は全体会議に出席し、そこでさらにプログラムに 閑する詳細な情報とその見通しの説明を受けます。  
両親は情報を検討する機会を持った後で、また全体会議に出席して、プログラムに生徒を参加させるか 否かについて決定を下すことができます。

プログラム  

トマティス・スクール・プログラムは特に公立、私立学校での適用を目的として構想されたものです。
8名またはそれ以下の人数で構成されるグループの生徒は完全なプログラムとして約100時間学級から離れてプログラムに参加します。  
生徒はそれぞれオーディオ・テープの聴取が中心となる授業でリスニングのトレーニングを受けます。
各授業で使用されるテープの内容は音楽またはハミングや物語などの人間の声です。
使用されるテープの 大多数は電子フィルターを通して変声しています。
つまり低周波数帯域の音を減らすために音楽または声 が変更を受けています。
交響楽団や人間の高い周波数の音は強調されています。
リスニングの授業は、ステレオやテレビを聞く時と同じ快適な音量でヘッドフォンや骨伝導装置を使って行われます。

プログラムの各段階  

プログラムの全体的な構成は人間の聞き取りの発達段階を再現してゆくものです。これらはプログラム の中で5つの基本段階に分類され、その内の3つはヘッドフォンで聞くパッシブの段階で、残りの2つはマ イクを使ったアクティブのトレーニングが加わります。
すべての生徒たちは同じ時期に同じ速度で進みます。

パッシブ段階  

プログラムの受動相での第一の段階は濾過した音へ徐々に導入することです。
生徒は段階的にフィルタ ーがかかった音楽テープを聞いていきます。この方法によって生徒たちは徐々に濾過された音に慣れてい くことになります。  
プログラムの受動相での第こ段階は濾過された音楽を聞くことです。 
この受動相での第こ段階の目的 は耳で聞くことの能力を増大させ、コミュニケートする意欲を高めることにあります。トレーニング・プ ログラムのこの段階では挙動上での変化が数多く両親から報告され、その内容には次のものがあります。  

話すことへの関心の高まり  
自己表現の高まり  
大きな自己自信  
毎日の生活への関与と参加の積極的態度

睡眠および食欲の質および量の変化が初期の段階で報告され、この変化がプログラムの後半で規則的になり、落ち着きます。
一定して落ち着くまで生徒の行動が変わり、動揺するのは当然とされます。
生徒の 全般的な態度はより積極的となることが特性として認められます。
リスニングのトレーニング中、生徒は 専用の部屋で他の仲間たちと絵を描いたり、またゲームなどの簡単な遊びをすることができます。  
プログラム受動相の第三段階ではフィルターをかけた音楽から徐々にフィルターを外していきます。
そ してこの段階でカットしていた音を再導入します。
受動相はここで終了し、言語への導入の通が開かれま す。

アクティブ段階  

この名称が示すように、生徒はプログラムのこの段階ではより活発になり、能動的となります。
プログラムの能動的段階のトレーニングが受動的段階のそれと異なる点は、生徒がこのトレーニング中に積極的 に言語を使用し始めることです。
この段階はこつあり話す言語を導入します。
最初を"前言語段階"、後者は"言語段階"と呼びます。

プログラムの前言語段階では生徒が構造的な話し言葉をトレーニングする前の準備段階としてハミング や歌を歌うことが要求されます。
わらべ歌や民謡でもってこの段階に生徒を導入します。  
能動段階の後半部は全段階の第5及び最終段階であり、この期間に言語トレーニングが開始されます。
この段階はプログラムの前言語段階の拡張時期であり、より会話的な話す言語の導入が行われます。
生徒 は単語、フレーズ、センテンスをリピートし、プログラムが進むにつれ音読します。  
能動段階を通して、生徒はオレイユ(電子機器)を通じて自分自身の声の中の高周波数帯やハーモニク ス披が強調される変化した声を聞き、声の質を改良します。
また、この期間、生徒のセルフ・リスニング やオーディオ・ヴォーカル・トレーニングに進むための訓練が行われます。  
能動段階の期間中に生徒の声、スピーチ、言語の使用の質に変化が現れることが一般的に観察されてい ます。また同時に、生徒のモティベーションやコミュニケートする意欲、さらに言語を使用する上で生徒の自信の面で引き続き変化が認められます。
プログラムのこの第5段階と最終段階の期間、生徒は自分の 家で大きな声を出して読む練習を行うことになります。
この練習の目的はトレーニングの効果を補強し、 生徒がリスニングとオーディオ・ボーカル・コントロールをさらに発展させることを助けることにあります。
プログラムには生徒の教育または学習指導要項はなく、プログラムの一部としての"ホームワーク"も設定していません。

プログラムの管理  

学校システムの中にあって生徒たちのトマティス・スクール・プログラムを管理するのはメソッドの専門的な養成を受けた教師の任務です。
教師はプログラムの毎日の運営に当たってサポート・スタッフ(補 助教員)の協力を受けます。
また一方で生徒の学級担任、校長、両親の間の連賂を密にすることは教師の 役割でもあります。  
トマティス・スクール・プログラムのためのトレーニングとカウンセリング・サービスはトロントのト マティス・センターの担当者が責任を負います。

両親と教師の参加  

両覿は生徒のトレーニング内容について理解が必要です。  
最初の全体会議で、選出される可能性のある生徒の両親はプログラムについて指導を受け、生徒に対し てどのプログラムを適用できるかについて説明を受けます。
プログラム進行中開催される第2回目の会議で、生徒の進歩の兆候について話し合い、さらに次の能動段 階に進む目標を再検討します。
両親はプログラムの進行状態を知るために学校を訪れることを勧められます。  
トマティス・プログラムが実施されている学校では教師を対象に"適用セミナール"が開かれます。
学級の教師はリスニングに問題を持つ生徒たちの選定の任にあたります。  
改善の評価は中間、終了時、また終了後6か月目に両親と教師が参加して実施されます。
これらの評価 の結果は学校当局が作成するレポートに要約されます。        
ギルモア氏がまとめた報告したデータを参照して下さい。  

トマティス・メソッドの研究  

資料作成と研究評価のための積極的なプログラムが1978年以降開発されています。
これらの活動の結果 はプログラム開発者の指導の下に実施されたトマティス・スクール・プログラムの高い効果を証明する支 援材料となっています。
生徒のコミュニケーション能力、問題解決能力、涜書、挙動(自信、幸福感)の改善が証明されています。
この点についてギルモアの報告を参照して下さい。  
この資料の独立した検討と評価はマックギル大学のハワード・スタット教授が行いました。
彼の結論は "実験結果の量が増大し、その結論もプログラムの有効性を証明している"としています。

総括  

トマティス・スクール・プログラムは正規の学校教育の授業として従来から与えられている形態の補足 または補完的な道具としてよく理解されています。
プログラムはまた学習プロセスのために用意されるべ き"土壌"に対する手段として見られており、従って、生徒が教師から受ける授業を最大限にもっと一般 的に云えば、プログラムは、自宅で、また学校での毎日のコミュニケーションにおいて効果的に言語を利 用するために生徒の能力を向上させるものとして捉えられています。

 


ようこそトマティスへ トマティスメソッドとは受講者の声 関連記事書籍CD学術論文 トマティス物語

 

トップページトマティスへようこそ聴覚トレーニングモーツァルト効果コース案内センター案内サイトマップ
動画で見学個人情報保護NPO法人トマティス聴覚心理発声ケア協会英語耳を作る「トマティス英語」
〒102-0076 東京都千代田区五番町5-1 第8田中ビル6F
TEL(03)5216-4331 FAX(03)5216-4330
Copyright © TOMATIS JAPAN. All Rights Reserved.