「きく」という行為には「聞く」と「聴く」の二通りがあります。
例えば学校で、先生の話が“聞こえている”だけの状態の子どもたちがいる一方で、一生懸命“聴き取ろうとしている”子どもたちもいます。この二様の状態が「聞く」と「聴く」の違いで、英語でも「hear」と「listen to」で区別しています。
視覚においても、単に「見えている(see)」ということと、しっかり「見る(look at)」ということが違うように、「聴く(listen to)」や「見る(look at)」には「聞こえている(hear)」や「見えている(see)」 の状態にはない、見よう、聴こうという意思・意欲が入っており、このとき、目であれば文様筋が、耳であれば中耳の部分にある小さな筋肉(アブミ骨筋など)が作動しているのです。人は、見たい物があれば目の焦点を合わせるように、コミュニケーションをしたいという意欲があれば、自然に耳を傾け、メッセージを正しくとらえようとします。
そしてその時、耳の中では、鼓膜、中耳、内耳が以下のような役割分担をしています。
| 1 |
鼓膜 |
音のレンズ |
音を捉える |
| 2 | 中耳 |
音の調整 |
鼓膜張筋とアブミ骨筋が調整しあって耳小骨を動かし聴き取りに必要な周波数帯にフォーカスする。 |
| 3 |
内耳 |
音声スペクトル |
周波数毎に音を分析し、聴覚野に音の情報を電気的信号に変えて送る。 |
このように「聴く」ということは耳のそれぞれのパーツがきちんと働いて、体の中に音を取り込むということなのです。
トマティスメソッドの聴覚トレーニングは、高周波帯の音や骨導を通しての音など、様々な音で耳の中にある小さな筋肉や聴覚器官を刺激することによって耳の機能を調整し、「聴く」能力をアップさせます。