| 記事 No.20 |
2006年5月8日(月曜日) 週刊ゴルフダイジェスト 5月23号
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- スポーツ -
ビビリ、緊張、苦手意識は耳で治せる
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フランスの有名な自転車レース「ツール・ド・フランス」に、いつも注目されながらも、 ブニョ選手は毎年、同じコーナーに差しかかると眩暈を起こしていた。
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数々の国際試合を勝ち取っているにもかかわらずツール・ド・フランスだけはどうし
ても勝てない。
「あぁ、嫌なところだ」と思ったとたん、同じような眩暈に襲われる というプレッシャーに悩まされていた。
プロ、アマ問わずゴルフでもこのようなトラウマによる場面に遭遇する。なぜか いいスコアの出ないゴルフ場があったり、ショートパットで体が動かなくなるなど、
これまでの失敗した経験で苦手な場面が作られている。そんな苦手意識を体の中から消し去ることができるメソッドが今注目を集めている。パリの耳鼻咽喉科医であった、アルフレッド・トマティス博士(01年没)が開発した、スポーツトレーニングプログラムがそれだ!
1日2時間、約60時間をかけて、前出のブニョ選手は、トマティス博士の開発した プログラム、電子耳(オレイユ・エレクトロニック)から流れてくる周波数がコントロールされた音楽を聴く訓練をした。60時間のトレーニングを終えた後、完全な平衡感覚を取り戻し、トラウマを解消したブニョ選手は、苦手だったツール・ド・フランスで勝つことができたのだ。
人間の耳は大脳の神経系統に電気エネルギーを充填する発電機であるとトマティス博士はいう。成人で60兆個もの細胞からできている私たちの体は、そのすべての細胞を働かすために、1日に4時間半、1秒間に30億の刺激を受け入れる五感の中でも耳、正しくは内耳前庭と蝸牛管器官から得られる音の刺激は、脳に直結しているという。トマティス博士によると「耳は脳が外に飛び出したもので、皮膚は耳が形を変えたもので気配も感じる」と言う。また、耳は必要な刺激の90%を確保することができる重要な器官ともいう。
たとえば、「集中力」という言葉を聞けば、普通なら求心的に一心に集中することを思い浮かべる。しかし、トマティス博士による集中力とは、「視界180度、気配は360度意識できるように開いたままで、目標はぽんと置け」ということになる。
筋肉を限りなく柔らかくして目標に向かえというのだ。この集中力を身につければ、周りの気配に左右されることなくプレーに集中することができるようになる。 |
耳の訓練で苦手意識を克服
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日常生活のなかで耳から音のエネルギー(刺激)を正しく得ることを訓練できれば、ゴルファーもさらに活力を増すことができるし、疲れにくくなり、体力も消耗しにくくなる。その上、不安やプレッシャーにまで強くなるというが、一体トマティスプログラムとはどんな訓練をするのだろうか。現在、世界に36ヶ国あるトマティスセンターのひとつ、東京の市ヶ谷にあるトマティスジャパンを尋ねて見た。
「さまざまな音が身の回りにあふれてはいても、人は聴こうとする音しか認識、反応することはできません。従ってBGMのように、ただそこで鳴っているのではなく、言葉や音楽を積極的に聴く姿勢や態度を大事にしなくてはなりません」というのは、日本で第1号のトマティスカウンセラー村瀬邦子氏だ。なかでも利き耳右にしたほうがいいと村瀬氏は言うが、それはどうしてなのだろうか。「耳から大脳に向かう神経回路は、右から入る音のほうが、左から入る音に比べ、時間にして100分の1から200分の1秒早く到達します。 |
また、その脳からの反回路神経も音の入口が、左耳か右耳かで違い、左耳からのコースは心臓の上の大動脈の下を通ります。つまり利き耳が左の人は情報が心臓に伝わるため、苦手な場面に遭遇したときドキドキして過緊張になってしまいやすいのです。しかし、右耳回路を使うと心臓まで通ることがなく、のどの下の鎖骨下動脈を通って、口やのどへ脳からの命令が伝わる。また、この回路は左耳からの回路より約40〜60センチ短いので、刺激や情報をすばやく受け入れ処理するためには、右耳が断然有利となるのです」(村瀬氏)
右耳で聞くためのトレーニングとして、村瀬氏は、「受話器は右耳で聴き、人と向かい合って座ったら、少しだけ右耳を前に出す」など、日常的に右耳で聴くということを意識して、習慣づけることが、耳の反応を鍛えることになるという。
「人は、聞くことができる言葉しか話すことができない」これが、トマティス理論の原点だ。音の刺激は、内耳から気導、骨導を通り、脳から全身に配分されていく。人によって伝導の仕方が異なり、それによってその人の個性や今置かれている状況などがわかるというが、それは聴力テストで測定することができ、聴覚曲線という形で表したものをトマティスセンターでは訓練の基本としている。人間は生まれたときは誰もがみんなまっさらな聴力を持っている。それが成長していくうちに嫌な言葉や出来事に出会うことで、いつのまにか、聞きたくないことは拒否してしまうため、聞こえていない周波数帯ができてしまうのである。 |
脳を活性化させるにはヴァイオリンの曲
気導と骨導を測定する聴力テストをすると、その変化は聴覚曲線に表れてくるが、その聴覚曲線を生まれたての頃の本来持っていた聴力に戻すために、トマティス博士は、電子耳を利用したトレーニングを開発したのだ。プログラムされたヘッドホンから流れる音楽にはグレゴリアン聖歌とモーツァルトの音楽が使われる。
トマティス博士は50年にも渡り電子耳の音源として、水の音からポップス、ジャズ、
各国の民族音楽、バッハからベートベンと、ありとあらゆる音楽を、臨床、実験したが、脳にエネルギーを伝達する効果があったのは、モーツァルトだけだという。音はすべて固有の周波数を持っていて、たとえば、自律神経をいつも正常に動かすために脳を活性化するには3000ヘルツ以上の周波数を必要とする。だから8000ヘルツぐらいまでカバーできるヴァイオリンを使う曲がいい。
電子耳を使った2時間のトレーニングを実際に体験してみたが、なぜか、背骨が
スーッと柔らかくなったような気がして、とても快適だった。このトレーニングの成果で果たしてどれだけゴルフのハンディを上げられるだろうか。次のラウンドが楽しみである。
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