記事 No.15
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1994年 3月号 日経トレンディー |
聴力トレーニングで語学力をアップ

フランス生まれの「電子耳」で下地作り
「勉強しても語学が上達しない」「発音が不得意」と悩む人向けに、まず耳の力を高めようという"療法"が登場した。東京・六本木にあるトマティスジャパンが行っているもので、語学力や記憶力の向上、心理的悩みの解消などに役立つという。

トレーニング方法を開発したのはフランスの音声医学者、アルフレツド・トマティス博士。一部の発声練習以外はヘッドホンから流れてくる音響ソフトや、「電子耳」という電子機器で処理された音を聞くだけ。ただし、それは音楽や言語の周波数の分析に基づいて選ばれたもの。例えば、各言語には優先的に使われる周波数帯の音があり、「電子耳」がその周波数の音を抽出したりして、聴力の下地を作る。要は「聞こえない音声は発声できない」という原理で耳を慣らすわけだ。
初めに聴力テストと問診をする。トレーニングは毎日2時間ずつ15日間続ける。その後、21日間休んで、また2時間ずつ8日間行って終了。料金は入会金6000円、聴力テスト1万円、語学プログラム〈英、仏、中、日本語)が15万円。聴力テストのみの受験も可。病院ではないので機能的障害の治療は行わない。
語学プログラムを受けた大野洋子さんは「細い音声が聞き取れるようになって発音がよくなった」と感想を話す。代表の村瀬邦子さんは「これはあくまでも言葉を認識する前の"耳の準備"で、即、英語力アップというわけではない。ただ期間中は聴力テストで改善状況を見て、相談に応じて心理療法も行う」と言う。
世界17ヵ国220ヵ所にセンターがあり、日本には昨年4月上陸、都内に4センターを構える。今まで約300人がテストを受け、100人以上が"治療"を受けたという。
しかし、聴力は視力矯正などとは違い、効果がわかりにくい。しかも毎日継続しなければならない。今後の成否は料金と効果について、聞く耳をもった人がどれだけいるかにかかっている。
日経トレンディー 1994年3月号
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